画像処理技術・平滑化について解説します。
last update: 2017/04/07
画像データにはノイズがつきものです。 二次元画像処理の基本技術として、平滑化があります。 近くにあるピクセルの値を参照して、ノイズを除去します。
三次元画像の場合は、三次元的に近い位置にあるボクセルの値を参照して平滑化を行います。
以下に、その代表的な方法を述べます。
- 平均:
近くにあるものをすべて合計し、平均します。 計算量が一番少ないものの、ボケやすい欠点があります。 - メディアン(中間値):
近くにあるものをまとめ、順番に並べます。順位が真ん中のものをボクセル値として採用します。 エラー値などの変な値の影響を受けにくいフィルタです。 - ガウスフィルタ Gaussian filter:
近いものほど重く、遠いものほど軽く重み付けして平均をとります。 散乱等のガスシアンノイズの影響で、距離が近い位置にある信号が混ざることを想定したフィルタです。 - バイラテラルフィルタ Bilateral filter:
ガウスフィルタと同様、位置が近いものほど重く、遠いものほど軽く重み付けします。 さらに、ボクセル値が近いものを大きく、離れているものを小さく重み付けします。 位置が近くて値も近いものを優先して混ぜ合わせる、という考えです。
物体の境界を保持したままノイズを除去できる場合が多く、性能は非常に良いといえます。 その代わり、計算量が膨大になります。
3D技術解説シリーズ
データの種類:ピクセルとボクセルとポリゴン【3D技術解説①】
サーフェイスレンダリングとボリュームレンダリング【3D技術解説②】
マーチングキューブ法:ボクセルからポリゴンへの変換【3D技術解説③】
3Dプリンタで扱えるポリゴン数【3D技術解説④】
CTデータの領域分割:三次元画像への Watershed 法の適用【3D技術解説⑤】
CTデータの画像処理:平滑化によるノイズ除去【3D技術解説⑥】
CTデータの画像処理:モルフォロジー演算(膨張収縮)【3D技術解説⑦】
凸包の作成:Quickhull 法【3D技術解説⑧】
ポリゴン削減(ポリゴンリダクション):QEM(Quadratic Error Metrics)【3D技術解説⑨】
GPGPUとは:グラフィックカードによる高速化のしくみ【3D技術解説⑩】
サーフェイスレンダリングでの等値面の修正:CTデータを加工する【3D技術解説⑪】
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