画像処理技術・モルフォロジー演算(膨張収縮)について解説します。
last update: 2017/04/07
二次元画像への加工技術のひとつに、膨張・収縮処理があります。
膨張と収縮をセットにすると、オープニング(Opening)・クロージング(Closing)処理ができます。 オープニングは孤立点や細かい線の除去に、クロージングは小さな凹みや空洞を埋めるのに用いられます。
三次元画像に適用すると、ボクセルデータに含まれる粒子や突起・隙間や空隙を取り除くことができます。
以下に、各方法について記述します。
- 膨張:
ある1個のボクセル(中央ボクセル)とそれに隣接する26個のボクセル(周辺ボクセル)を考えます。 周辺ボクセルの最大値を計算し、中央ボクセルの値より大きければ、中心ボクセルの値を最大値に置き換えます。
最大値に置き換えるため、最大値フィルタ(Maximum filter)とも呼ばれます。 - 収縮:最大値ではなく最小値に置き換えます。 最小値フィルタ(Minimum filter)とも呼ばれます。
- オープニング(Opening):
収縮をした後、膨張を行います。
収縮1回、膨張1回であれば、1ボクセルサイズの粒子や突起が除去できます。 収縮 N 回、膨張 N 回であれば、ボクセルサイズが N の粒子や突起を削除できます。 - クロージング(Closing):
膨張をした後、収縮を行います。オープニングと順序が逆です。
膨張 N 回、収縮 N 回であれば、ボクセルサイズが N の隙間や空隙を埋めることができます。
3D技術解説シリーズ
データの種類:ピクセルとボクセルとポリゴン【3D技術解説①】
サーフェイスレンダリングとボリュームレンダリング【3D技術解説②】
マーチングキューブ法:ボクセルからポリゴンへの変換【3D技術解説③】
3Dプリンタで扱えるポリゴン数【3D技術解説④】
CTデータの領域分割:三次元画像への Watershed 法の適用【3D技術解説⑤】
CTデータの画像処理:平滑化によるノイズ除去【3D技術解説⑥】
CTデータの画像処理:モルフォロジー演算(膨張収縮)【3D技術解説⑦】
凸包の作成:Quickhull 法【3D技術解説⑧】
ポリゴン削減(ポリゴンリダクション):QEM(Quadratic Error Metrics)【3D技術解説⑨】
GPGPUとは:グラフィックカードによる高速化のしくみ【3D技術解説⑩】
サーフェイスレンダリングでの等値面の修正:CTデータを加工する【3D技術解説⑪】
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