機能一覧
入力
表示
画像処理・加工
ポリゴン処理・加工
計測
出力
拡張機能:粒子空隙解析
拡張機能:配向・方向解析
Molcer Plus の技術
GPGPU による超高速演算
3Dプリンタ用ファイル作成における問題点解決手法
3次元画像処理のための数学アルゴリズム
バージョン履歴
機能一覧
入力
- CTスキャンや MRI から得られた連続断面画像を読みこめます。
対応フォーマットは TIFF, DICOM, JPEG, PNG, BMP です。 - PCの能力を超えるばあい、データ量を減らして読みこみます。
- 連続断面画像のほかにSTLファイルも読みこめます。
表示
連続断面画像を3Dオブジェクトに変換し、ボリュームレンダリングします。
閾値を設定したサーフェイスレンダリングもできます。
自由な位置・角度で切断できます。
サーフェイスレンダリングのときは、切断面の擬似カラー表示ができます。
オブジェクトが不透明のときは、切断された領域を半透明で表示できます。
- 3Dオブジェクトの透過表示(ボリュームレンダリング)
-
3Dオブジェクトの外形表示(サーフェイスレンダリング)
Molcerでのおすすめ表示:
サーフェイスレンダリングで、描画方式Dにして不透明度を3にすると左の絵に、描画方式Bにして不透明度を30に変更すると右の絵になります。どちらも透過して向こう側が見えるので、ニッポニテスの複雑で立体的な巻き方が一目で観察できますよ https://t.co/Yf75qeMKoJ pic.twitter.com/bN9QNjqZZt— 有限会社ホワイトラビット (@XRayCT) 2019年10月17日
- ポリゴンデータ(STLなど)の、描画方式・色の変更
-
スケールバーの表示
3D画像表示ソフトウェア「Molcer」の新しいバージョン(v1.6)を公開しましたhttps://t.co/OXybaXpecA
MolcerPlus v1.6 で作成したmolファイルの表示が可能です
また、スケールバーの位置を調整しやすくなりました#CTスキャン #CT画像 pic.twitter.com/Z9a2OqjjPi— 有限会社ホワイトラビット (@XRayCT) May 18, 2020
- 複数の3Dオブジェクトを並べて表示・同時操作可能
ボクセル処理・加工
- 指定形状内のボクセル値変更(増減 / 平滑化 / コントラスト)
- マウスドラッグで指定した範囲内を削除
- ひとつながりの領域を選択して削除
- オブジェクトを(斬鉄剣のように)平面で切断
- 外とつながっていない独立した空隙を埋める
- ボクセルデータ全体への一定値加減と二値化
- ボクセルデータ全体へのフィルタ処理(平滑化 / コントラスト / 最大最小)
- つながった粒子や空隙(気泡など)を自動で分割
- へこみを / でっぱりを抽出(「でこぼこ抽出」)
- 3Dプリンタ造形時にこわれそうな細い・薄い部分を補強(「部分膨張」)
- ボクセルデータの複製(全体、選択部分)
- ボクセルデータ同士の演算(加算、乗算、減算、最大、最小)
- ボクセルデータのトリミング
- ボクセルデータへのラベリング(最大256)
ポリゴン処理・加工
3Dプリンター用にポリゴンデータを加工できます。
- 形状を保持したままでのポリゴン数削減
- 切断平面によるポリゴンの切断
- ポリゴンデータの複製
計測
長さ・角度・体積など各種計測ができます。
- 点 / 線 / 面間の距離や角度
- 直線 / 平面 / 球 / 円柱 / 円錐への形状あてはめ
- 形状あてはめで作成した図形を組み合わせて新たに図形を作成
- 作成した図形(点 / 直線 / 平面)間の距離や角度
- ランドマーク登録機能
- 平行平面を用いた距離(バーチャルノギス)
- 画面平面上での距離と角度(「2D測定」)
- ひとつながりの領域の 体積 / 表面積 / 重心
- 任意の選択した面の表面積と重心
- 断面にある粒子や空隙の面積
- 物体の厚さ(全表面)
- すべての開口部の直径
出力
(兼子尚知・鵜野 光・岩下智洋, 2016, 3Dプリンタによる地質標本の模型製作, 地質調査研究報告, 67 の図1, 2 を改変して作成)
ポリゴンデータは3Dプリンターで読みこみ可能なフォーマットで出力できます。
かんたんなアニメーション動画もつくれます。
- ボクセルデータを連続断面画像として出力
- ポリゴンデータをSTL/OBJ/glTF/glb形式で出力(3Dプリンターによる造形データとして利用可能)
- 複製したポリゴンデータを含む3Dオブジェクトの保存
- 表示画面・切断面の保存
- 解析結果のCSVファイル出力
- 動画の作成(回転、断面移動、透明度変化およびこれらの合成)
- ボクセルデータを 回転 / 倍率変更 / 範囲変更して出力
- 巨大なボクセルデータを一時的に縮小読み込みして表示、関心のある範囲のみを切り出し、縮小前のデータサイズで出力
拡張機能:粒子空隙解析
3Dオブジェクト内の空隙や粒子を抽出・解析します。解析結果もポリゴンデータとして保存が可能です。ボイドや異物の検出に有用です。
※この機能は別ライセンスです。
粒子空隙解析・機能説明パンフレット(PDF 3.4KB)
- ボクセルデータに含まれるすべての粒子/空隙の、体積・表面積・重心・凸包体積・フェレ径(最大/最小/x軸/y軸/z軸)を計算
- 解析結果ポリゴンデータの複製
- 解析結果一覧のCSVファイル出力
拡張機能:配向・方向解析
3Dオブジェクト内の方向成分を抽出・解析します。繊維配向・割れ目の解析に有用です。
※この機能は別ライセンスです。
配向解析・機能説明パンフレット(PDF 5MB)
- 配向解析
- ボクセルデータに含まれる方向成分をフーリエ変換により解析
- データを一定間隔で区分し、各区間ごとの平均的な方向・配向の強さを計算
- 解析結果を3DポリゴンデータやCSVファイルで保存
- 方向解析
- ボクセルデータの方向を主成分分析により解析し、方向とその強さを計算
- 方向が近いボクセル同士を連結して領域認識
- 解析結果を3DポリゴンデータやCSVファイルで保存
※機能一覧は最新版にもとづいています。
Molcer Plus の技術
Molcer Plus が実装している超高速演算、3Dプリンタ用ファイル作成における問題点解決、数学アルゴリズムについての紹介です。
GPGPU による超高速演算
Molcer Plus は C++ を用いているため、通常でもそれ以外の言語(C#、Javaなど)によって作られた類似ソフトよりも高速ですが、更に GPGPUによる超高速演算も実装しています。
GPGPU は近年よく用いられるようになった、グラフィックカードを利用する超高速演算手法です。並列演算により、数倍~数十倍の高速化が実現できます。AIによる自動運転でも使用されているので、一般にも知られてきていると思います。Molcer Plus では CUDA を介さないネイティブコードで記述しています。
※対応していないグラフィックカードもあります。
3Dデータ | 実行内容 | 通常 | GPGPU |
---|---|---|---|
生物標本(481万ポリゴン) | バイラテラルフィルタ (大きさ:2、ボクセル値類似度:30) |
79.73秒 | 1.35秒 |
ガウシアンフィルタ (大きさ:2) |
5.87秒 | 1.68秒 | |
生物標本(55万ポリゴン) | バイラテラルフィルタ (大きさ:2、ボクセル値類似度:30) |
9.32秒 | 0.15秒 |
ガウシアンフィルタ (大きさ:2) |
0.66秒 | 0.14秒 |
※実行環境 CPU:Intel Core i7-6700k 4.0GHz, メモリ:64GByte、GPU:AMD Radeon R9 390、グラフィックメモリ:8Gbyte、OS:Windows10 64bit
技術的な詳細は、3D技術解説:GPGPU をごらんください。
3Dプリンタ用ファイル作成における問題点解決手法
3Dプリンタによる模型作成のさい問題となるのが読み込めないデータ、出力できない形状、3Dプリンタの性能上の制約などです。Molcer Plus はこれらの解決に利用できる各種機能を持っています。
なお、CTデータから作成された3Dデータには、CADデータで問題となる、面のすきま・重複、面の裏返り、交差は発生しません。
- 造形上、無理のある構造 → 3Dデータの加工
3Dデータ上、問題はなくても、造形後に問題となるのが細すぎる・薄すぎるなどの強度に問題のある構造です。この場合、元データの形状を変えない程度に構造を補強修正します。
任意の位置でボクセルデータに対する加工が可能です。 - サポート材が除去できない → 閉空間の穴埋め
一部の例外を除いて3Dプリンタではオブジェクト以外の部分にサポート材と呼ばれるものを出力し、あとから除去しますが、閉空間が存在するとサポート材が除去できません。これを避けるには閉空間をあらかじめ埋めておきます。
閉空間の穴埋めは1オペレーションで実行できます。 - ファイルが大きすぎて読み込めない → ポリゴン削減(ポリゴンリダクション)
高精細なデータほどファイルファイズは大きくなりますが、あまりに大きすぎると3Dプリンタで読み込めないという事態が発生します。また、3Dプリンタの分解能より精細すぎるファイルを与えても、出力時に再現はされません。このような場合にはポリゴン数を減らす処理を行います。
ポリゴン削減において重要なのは、「元の形状を保ったまま削減する」という点です。Molcer Plus では変形を極力抑えてポリゴン削減を実行します。 - ポリゴン削減で隙間が発生する → 複数オブジェクトの同時実行
オブジェクトが接触しているような場合、ポリゴン削減を行うと接触部にすきまが生じたり、交差が発生したりします。Molcer Plus では複数オブジェクトの接触を保ったまま、ポリゴン削減を行うことも可能です。 - 物理サイズが大きすぎて出力できない → 切断ポリゴン作成
3Dプリンタの造形能力を超えるサイズのオブジェクトを出力するためにオブジェクトを分割します。切断部分には新たに面を形成する必要があります。造形後に接着を行って完成させます。オブジェクトの形状によっては、サポート材の出力を減らしたい場合にも有効な手法です。
Molcer Plus を用いた 3Dプリンタ用ファイル作成の流れ もご覧ください。
3次元画像処理のための数学アルゴリズム
- ボクセルからのポリゴン作成:マーチングキューブ法
CT、MRI により得られた3次元ボクセルデータから、三角形で構成されるポリゴンデータに変換するための手法です。 - 固有ベクトル作成:ヤコビ法
- 領域分割:Watershed法
繋がった粒子または空隙を独立した領域として分割する手法です。 - ノイズ除去:平滑化
ポリゴン表面を滑らかにするための手法です。 - ノイズ除去:モルフォロジー演算
ポリゴン表面の突起や空洞を取り除くための手法です。 - 凸包作成:Quickhull法
点群(点データの集合体)を凹みのないように覆った図形を凸包と呼びます。凸包作成アルゴリズムはいくつかありますが、Molcer Plus では高速な Quickhull 法を採用しています。フェレ径測定時の計算量削減にも役立ちます。 - 削減ポリゴン作成:QEM
ポリゴン削減(ポリゴンリダクション)では2点間のエッジ消去と統合が基本動作になりますが、その際の位置決めと優先順位を統計的に定めるのが QEM です。元の形状を保持するのに優れた手法です。
以上のリンクは弊社サイト内「3D技術解説」の各該当記事へ飛びます。
バージョン履歴
2024/01/25 バージョン1.8.5.1 リリース
- 二点タッチに対応
- 軽微な仕様変更
- bug fix
2022/12/14 バージョン1.8.4 リリース
- bug fix
2023/10/28 バージョン1.8.5 リリース
- ライセンス認証関連を変更
- エラー処理の強化
- 軽微な仕様変更
2022/12/14 バージョン1.8.4 リリース
- bug fix
2022/09/25 バージョン1.8.3 リリース
- 粒子空隙解析機能に、フェレ径測定を追加
- bug fix
2022/05/30 バージョン1.8.2 リリース
- 配向解析を高速化
- bug fix
2021/11/17 バージョン1.8.1 リリース
- 粒子空隙解析に、解析結果のボクセル複製機能を追加
- 連続断面画像の読込を高速化
- bug fix
2021/10/01 バージョン1.8 リリース
- 2D測定(新機能)
- 測定機能全般で測定単位を変更可能に
- ボクセル加工に二値化・一定値加減・二点間表層経路追加
- ボクセル演算に乗算追加
- 領域ラベル作成を 256 に拡張
- 3D測定(旧「測定」)に平面を断面に設定する機能と切断平面を手前に向ける機能を追加
- 3D測定に、点を含み二平面に垂直な面の作成追加
- 部分領域測定に投影面の平行移動機能を追加
- 方向解析に抽出結果の切断面周辺のみ表示機能を追加
- Z方向画素間隔指定のない DICOMファイルに対応
- 全ユニット色の保存・ロードをファイル形式に変更
2021/06/02 バージョン 1.7.3 リリース
- bug fix
2021/03/17 バージョン 1.7.1 リリース
- bug fix
2021/01/19 バージョン 1.7 リリース
- 厚さ計測(新機能)
- 開口部解析(新機能)
- トリミング(新機能)
- ポリゴンデータ出力形式に glTF と glb を追加
- 物体空間分割に分割部最小の概念を追加
- 配向解析にストリームライン表示を追加
- 方向解析に逆抽出を追加
- ユニット設定に自由回転インターフェイスを導入
- ボクセル加工 / 物体空間分割 / でこぼこ抽出 / 部分膨張 に、選択領域のボクセル複製を追加
- ボクセル加工にマウス選択範囲内を「残す」機能を追加
- ボクセル回転切出に補間方法を追加
- opening / closing 機能を「でこぼこ抽出」というわかりやすい名前に変更
- 回転、断面移動、透明度変化およびこれらを合成した動画出力が可能に
2020/09/10 バージョン 1.6.2 リリース
- bug fix
2020/05/24 バージョン 1.6.1 リリース
- bug fix
2020/05/16 バージョン 1.6 リリース
- Closing / Opening(新機能)
- 部分膨張(新機能)
- ボクセル演算(新機能)
- 領域ラベルユニットの導入、専用設定ダイアログと作成ダイアログ(新機能)も追加
- 動画作成機能を大幅に強化、複数の操作を連続して出力することが可能に
- 物体空間分割をGPGPU化により高速化
- 選択処理全般を高速化(アルゴリズム変更)
- 選択処理全般に選択反転ボタン追加
- ボクセルデータの複製が可能に
- スケールバーを指定方向に移動することが可能に
2019/04/04 バージョン 1.5.1 リリース
- bug fix
- UIを一部改善
2019/02/28 バージョン 1.5 リリース
- ボリュームレンダリングにカラー透過マップモード(Type C)追加、専用設定ダイアログも追加
- メインコントロールの設定項目に不透明度追加、ダイアログによっては表示後もユニット設定の編集が可能に
- 部分領域測定(新機能)
- 測定機能にランドマーク管理追加
- 測定機能に重心などの読込追加
- ノギス機能のシーケンス変更
- ボクセル加工にマウスドラッグによる一括削除追加
- サーフェイス・STLユニットでも切断ポリゴン作成が可能に
- STLユニットでも削減ポリゴン作成が可能に
- 削減ポリゴン作成の交差許可を柔軟化・削減目標1%未満も指定化に
- ボクセル回転切出機能で以前の出力設定を読込可能に
- 動画作成機能の出力フォーマットをH.264に変更、品質設定も可能に
- 拡張子なしDICOMファイルを読込可能に
- 連続領域測定機能で複数領域選択可能に
- ユニット設定(サーフェイス)ダイアログに断面色設定を一体化
- Molcerでも連続断面画像読込・画面サイズ変更・位置設定機能が利用可能に
2017/11/17 バージョン 1.3.6.1 リリース
- TIFF画像の色種別タグに対応
- 読み込み時の自動しきい値設定のアルゴリズムを改良
- マニュアル更新
2017/09/20 バージョン 1.3.6 リリース
- GPGPUによる超高速化
- 方向解析(新機能・別ライセンス)
- 切断ポリゴン作成(新機能)
- 測定大幅リニューアル
- 複数ユニットの同期ポリゴン削減
- STLファイルの読込
- ポリゴン、STLデータの連続領域測定
- ボクセル加工などでヒストグラム表示可能に
2016/11/02 マニュアル追加
2016/06/29 チュートリアル追加
2016/05/23 バージョン 1.3.5 リリース
- UI大幅変更・各機能をメニュー呼び出しからメインコントロールに集約・機能の排他処理
- 連続領域測定(新機能)
- ボクセル回転切出(新機能)
- 新規ユニット作成(新機能)・設定も可能に
- ボクセル加工の高速化・ボクセルフィルタ(平滑化)を組み込み
- ポリゴン出力の集約・OBJファイル出力可能に
- 粒子空隙解析リニューアル・結果を複製可能に
- 配向解析リニューアル・結果を複製可能に
- ノギス機能リニューアル
- 測定に円・円柱・円錐フィット追加、基準設定追加
- 物体空間分割の候補を選択可能に
- STLファイルの追加読込
- 回転中心変更ボタンを追加
- 1/2、1/4読み込み時の元データのボクセル範囲切出
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*フリー版もあります:3D画像表示ソフトウェア Molcer