おいしいフランスパンの条件といえば、気泡がぽこぽこ入っていること。
しかしこの気泡、実際のフランスパン内部にはどんなふうに分布しているのか?
というのが、本企画を実行した理由。
全国のパン職人のみなさん、なにかの参考になれば。
準備編:まず、試料となるフランスパンを買いあつめる
今回、CTスキャン装置をお借りする会社さんの立地の都合上、JR新横浜駅前でお買い物することに。
数年前、駅に隣接してキュービックプラザ新横浜ができた当初はまれにみるパン激戦区として紹介されていたけれど、いまとなってはすでに閉店してしまったところもある。
新幹線を降り、キュービックプラザ新横浜へ。
タカシマヤフードメゾン3階に入る。
まずは、MOF(フランス最高技能職人)資格をうたう「アール・ドゥ・パン」Art de pain(*)にいってみる。
*2018年現在、新横浜の店舗は閉店しています。

こちらがお目当てのバゲット・カンパーニュ、315円なり。
みためからして本格派。
つづいて、同じフロアにある「プルミエ・サンジェルマン」Premier Saint-Germain へ。

ここではバタール、273円を購入。
専門店二店のパンのほかに、コントロールが必要。
一階にあるドラッグストアに向かう。

あった。
ヤマザキのフランスパン、ぶじに発見。105円。
これでコントロールは確保した。

アール・ドゥ・パン

プルミエ・サンジェルマン

ヤマザキパン
今回CTスキャンするフランスパン三種そろいぶみ。
外見からしてぜんぜんちがう。
はたして中身がどうなっているのか楽しみだ。
先端部分と中央部分をそれぞれ撮影することにした。
実践編:さっそくフランスパンをCTスキャンしてみる
さて、購入したフランスパンたちをかかえて会社さんにおじゃまする。

こちらが、使用するCTスキャン装置 ScanXmate A150S145/2だ。

まずはアール・ドゥ・パンのものから。
CTスキャン装置内部はこんな感じ。

アール・ドゥ・パンをCTで撮影中。

これがX線で撮った一枚の写真。
こういうのを 360°全方位から撮影するのがCTスキャンというわけ。
もっとくわしく知りたいひとは技術解説シリーズ記事「CTスキャン(コンピュータ断層撮影)とは【CTスキャン解説①】」をどうぞ。


さらに、プルミエ・サンジェルマン、ヤマザキパン、と順調に撮影していく。
小一時間ほどで終了、データを外部ディスクに保存。あとはホワイトラビットにもどって画像を処理する。

結果編:ついにあきらかとなったフランスパンの気泡分布
さて、お待たせしました。
CTスキャンによって得られたパンの断面を、画像や動画にして、以下に公開。
気泡のようすをくらべてみてください。
画像またはパンの名前をクリックすると動画がはじまります。
動画作成には Molcer Plus を用いています。
結論:おいしいパンは気泡から。
これでおしまい。
おつきあいくださってありがとうございます。
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X線CT画像などの3次元画像データを、計測・加工・解析するためのソフトウェアです。工業製品から生物標本まで、どんなものでも美しく、快適操作でおみせします。
*フリー版もあります:3D画像表示ソフトウェア Molcer