CTスキャン(コンピュータ断層撮影)とは【CTスキャン解説①】

CTスキャンのかんたんな説明

X線撮影(レントゲン撮影)を360度全方向からおこない、物体の内部がどうなっているかを調べる技術です。
A(上)からB(下)のような断面画像が得られます。

X線撮影画像の例(浮遊性有孔虫化石)

A、X線撮影画像の例(浮遊性有孔虫化石)

CTスキャンにより得られた物体の断面画像の例(浮遊性有孔虫化石)

B、CTスキャンにより得られた物体の断面画像の例(浮遊性有孔虫化石)

CTスキャンの基本原理

物体をさまざまな方向からX線で撮影し、再構成処理をおこなうと、物体の内部構造を得ることができます。
物体を走査(scan、スキャン)することから、CTスキャンとよばれます。
CTとは、Computed Tomography の略称です。
X線は波長1pm-10nmの電磁波です。X線が物質に入射すると、さまざまな原因により吸収されながら通過していきます。CTスキャン装置は、X線の「吸収される」という性質を利用して、物体をしらべているのです。

CTスキャンでわかること

CTスキャンは、「X線の吸収されやすさ(=X線吸収係数)」で物質をしらべています。
X線吸収係数が異なる物質同士を区別することで、かたちがわかります。
同じ物質でも密度が異なるとX線吸収係数にちがいが出るため、一種類の物質からなる物体であれば、密度のちがいを計測することができます。
X線吸収係数が同じであれば、CTスキャンによる区別はつきません。

X線の吸収

X線の吸収は、光電効果とコンプトン散乱により発生します。

  • 光電効果:X線が原子の軌道電子に衝突し、すべてのエネルギーを電子に与えて軌道外に放出。X線は消滅。
  • コンプトン散乱:X線が電子に衝突し、一部のエネルギーを電子に与えて軌道外に飛ばす。X線は散乱し、エネルギーが減少。


一般に、X線エネルギーが低い場合に光電効果が、高い場合にコンプトン散乱が発生します。また、原子番号が小さいほどコンプトン散乱となる傾向があります。

X線吸収係数

X線が物質内部を通過するさいに生じるエネルギーの変化は、物質のX線吸収係数と通過する距離によって決まり、次式であらわせます。

X線吸収係数
I: 物質透過後のX線エネルギー
I0: 入射X線エネルギー
u: 物質の吸収係数(減弱係数)
T: 通過距離

物質のX線吸収係数は、物質の種類、密度、入射X線エネルギーによって決まります。
物質の原子番号がおおきいと、吸収係数は高くなります。
密度が高ければ、吸収係数も高くなります。
下図に示すように、X線エネルギーが高いほど、吸収係数は低くなります。ビームハードニングアーチファクト発生要因の一つです。

X線吸収係数

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