2016年の秋も深まりゆくころ。共同研究者のお手伝いのため、大型放射光施設SPring-8に行ってCT撮影をしてきました。以下、そのようすを写真入りでご紹介。
そもそもSPring-8ってなんなのよ。ひとことで説明して
電子ビームを加速するための巨大なドーナツ状の施設と、そのまんなかにある標高341メートルの山(三原栗山)。つまり山つき実験施設だ。ゴージャス。
なお読みは「すぷりんぐ・えいと」。 ちゃんと知りたい方は、公式サイトへ。
SPring-8って、どこにあんのよ
兵庫県佐用郡佐用町。えらい僻地。
バスの本数が少ないため、利用する研究者たちで混み合うときには地元の学生たちがはじかれてしまって気の毒である。
前準備
1、なにはさておき利用申請。内容を審査されたうえめでたく採択されれば実験できる。なお近年の採択率はざっくりいうと7割。
2、そして各種書類提出。「放射線従事者登録書」が必要なのでもよりの大学へ行って講習を受けねばならない。なおこの書類が必要なのは国内の人間のみで、共同研究者は海外の研究機関に所属しているため不要だった。ちぇっ。
行ってみた
まずは宿にチェックインする。
シングル1泊3000円。実験施設使用時間がかぎられているため、基本は泊りこみ。前述のとおり僻地なので宿泊のためにいちいち下界へおりてはいられないのである。
前出の地図でわかるように中央のドーナツ状の建物は広大。よって貸し自転車を利用。
施設内は一周およそ1.5km。とはいえ、ところどころこのように:
これは中央制御室。
SPring-8の謎
実験室の壁に「鹿」「逆鹿」という謎表示がある。
これは、ドーナツ状施設特有の方向をしめす用語(*)。中心の三原栗山がある方向が「逆鹿」、その反対側が「鹿」となる。
* 実は、執筆者らが使用したビームライン特有の表記でした。正式には、外側を「ホール側」、中心側を「リング側」と呼ぶそう。
ドーナツ状や円筒状のスペースコロニーなんかでも同じような方向表示が採用されそうな予感がする。「鹿側ポイントQでランデブー、ようそろ」とか指令が飛びそうでかっこいい、などと妄想する。そして数千年がたち、コロニー在住の人類が鹿/逆鹿の由来を忘れ去ったころ、宇宙考古学者が荒廃した地表でSPring-8の遺跡を、あっもうやめますね。
閑話休題。
たいへん合理的な方向表示システムだなあと感心し、鹿側の窓から外をみたらほんとうに鹿がいた。
SPring-8みやげ考
みやげものの定番である饅頭が、敷地内厚生施設 キラリ売店 で購入できる。
兵庫県の和菓子屋、末廣堂の 山月 がベースでとてもおいしい。だが惜しむらくは、焼印がなければSPring-8のおみやげとわからないところ。
よって執筆者はよりわかりやすいSPring-8みやげを考えてみた。 せっかく施設がドーナツ型なのだからやっぱりドーナツにすべきである。
いかがでしょう。採用してくれないかなあ。
おしまい。
作成日 2017/05/12 最終更新日:2018/08/13<
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