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エヴァリスト・ガロア【数学者ふるさと探訪】

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エヴァリスト・ガロアの墓

夭折の天才ガロア。彼の抽象代数学における不朽の功績についてはあまりにも有名なので、本稿においてくわしくは触れない(さらに知りたい方々のために、いちばんさいごに厳選参考文献リストをあげておきます)。

先日フランスを訪れる機会があったので、彼ゆかりの地を巡り、その短くもいたましい生涯について振り返ってみた。

生誕の地Bourg-la-Reine広域地図

生誕の地Bourg-la-Reine広域地図

生誕の地Bourg-la-Reine

生誕の地Bourg-la-Reine市街地地図


まずは、生誕の地Bourg-la-Reineへ。パリ市内のリュクサンブール駅からRER-B線で約15分。徒歩で簡単に一周できてしまうくらいのちいさな街だ。
市街地の詳細な地図はBourg-la-Reine公式サイトにPDFがあるので、そちらも参考に。

駅の西側に降り立ち、ガロア探索開始。

エヴァリスト・ガロア

ガロア中学College Evariste Galois

こちらはガロア中学College Evariste Galois、でもただ名前をもらっているだけで、とくにゆかりが深いわけではないようだ。


東に向かって移動。

エヴァリスト・ガロア生家

エヴァリスト・ガロア生家

生家跡を示すプレート Plaque を発見。ガロアはここで1811年に生まれ、以後は母親から教育を受けながら1823年まで過ごした。
ただ、このプレートは小さいうえに建物の二階部分にあり、非常に発見しにくい。


さらに移動、墓地Cimetiereに到着。

エヴァリスト・ガロアの墓

エヴァリスト・ガロアの墓

墓の下部には、もと市長であるやはり非業の死を遂げた父ニコラ・ガブリエル・ガロアNicolas-Gabriel Galoisの名前もあった。
だが、周囲の市民たちの墓がきれいに花で飾られているのとは対照的に、街の偉人である親子の墓は寂しかった。


エヴァリスト・ガロアの墓

いたたまれなくなって、墓地向かいの花屋でかわいいおばあちゃんから菊の鉢植えを購入。この日は風がとても強かったので、倒れないよう植え込みの前に置いてから、合掌して黙祷する。かれらの激烈な生と早すぎる死について回想しながら。


晩秋の小雨の降るなか墓地を後にし、ガロア広場を目指す。
ガロア通り Avenue Galois

ガロア通り Avenue Galois に入る。ちなみに、こっちのガロアは市長だったお父さんのほうだ。


エヴァリスト・ガロア

ガロア広場 Square Evariste Galois にたどりつく。だが、広場ともいえないようなせまい場所にプレートがひとつぽつんとあるだけ。
街の偉人に対してなんともさびしい扱いだ。胸像を建てて金文字で飾ってもいいくらいなのに、と再度憤るが、墓が再建されただけまだましなのだろうか。


次は、パリ市内に戻って母校めぐり。

エヴァリスト・ガロア

パリ市内、ガロア関連地図。


エヴァリスト・ガロア
エヴァリスト・ガロア

ここはリセのLouis Le Grand。少年ガロアは1823年から29年まで在籍した。ここで彼は数学との運命的出会いをすることになる。

エヴァリスト・ガロア

エヴァリスト・ガロア

こちらは高等師範学校 Ecole Normale。1929年から31年まで在籍。
しかし、正門前の学校の歴史説明版にはガロアのことはなにも書かれてはいなかった。フランス最高、いや世界最高といっても過言ではない数学上のスーパースターに対してそれはちょっと失礼なんじゃないの? と憤る日本人。
だが、学校を出た理由が急進的政治活動による退学処分ではしかたがないかもしれない。


高等師範学校を去ったあと、ガロアは早すぎる死を迎えることになるのだが、詳細について知りたい方は以下の文献をどうぞ。

エヴァリスト・ガロア 厳選参考文献リスト

伝記

数学をつくった人びと』 E.T. ベル
数学者伝記の基本中の基本。ハヤカワ文庫版は三巻組のうち第二巻にガロアが出てきます。これで生涯の全容をつかみましょう。

天才の栄光と挫折 数学者列伝』 藤原 正彦
ちょっぴり応用編。フジワラ先生が華麗な美文で有名数学者たちの生きざまを描き出してくれます。ガロアに割かれたページ数は多くはありませんが、「天才とは常に単純で、思いこみが激しい」のひとことはけだし名言でしょう。

アーベルとガロアの森 数学史の歩き方』 山下 純一
激しく応用編。本稿よりさらにつっこんでガロア関係の取材をしている白眉の一冊、おすすめです。
でも、じつはガロア編よりアーベル編 Niels Henrik Abel 1802-1829 のほうがはるかにおもしろい。とくに真冬のノルウェーで遭難寸前になっちゃうところとか。
北欧旅行は季節を選んだほうがよいのでは。

The MacTutor History of Mathematics archive
古今の数学者について、情報を網羅的に収集したウェブサイト。
肖像画や写真によるPosterがあるところが独特。ガロアのものはここからみることができます。
また、数学版・今日はなんの日? も楽しい。

研究内容

物理のかぎしっぽ
「代数学」のページで、ガロアがつくりだした群論について詳細に扱っています。
おそらく、ウェブサイトのなかではわかりやすさと詳しさがいちばんなのではないでしょうか。

代数方程式とガロア理論』中島 匠一
タイトルどおり、ガロア理論についての専門書です。
とても楽しく、とっつきやすい文体が魅力。「標語:群を見たらガロア群と思え」や「どんな分離拡大もガロア理論でとらえられる、これをガロア原理主義と呼ぶ」「以上、四つの性質すべてを兼ね備えた存在がガロア拡大だ、という悟りの境地に達する」など個性的な表現が満載の、笑える数学専門書というまれな存在。
だがもちろん、内容はけっして初歩的ではないので心してかかりましょう。
同著者による『代数と群論の基礎』もおすすめ、中島節大炸裂の良書です。
「いかにも群だという群、とはなんなのか悩んで旅に出たりしないように」、だそうです。はい、そんな理由で家出したりはしません。

なぜこの方程式は解けないか? 天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密』マリオ・リヴィオ
専門書はつらいや、という方はこちらをどうぞ。
群論について豊富な例をあげ、比喩的かつ視覚的に説明してくれます。

作成日:2010/03/29 最終更新日:2018/08/14

 

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